だが、突然転機がやってきた。
事の始めは夏に僕が一足遅く日本に一時帰国し、
すれ違いにイギリスに戻った彼女と離れていたある日だった。
僕は母親と母親の友達と4人で食事に出かけ
僕がその運転手をしていた。
交差点に入りかかった頃に電話が掛かってきた。
彼女からだ。
僕は、母親や日本にいる人達に彼女の事を話していない。
当たり前の如く、反対されるからだ。
子供がいる人と付き合っている事、同棲している事、ずっと秘密だった。
卒業してから、一緒に挨拶に行こうと決めていた。
彼女もそれは理解し、従ってくれていた。
何の用か知らないが焦った。
だが、取らないのも変なのでとりあえずでた。
……交差点信号待ち
『もしもし』
『もっしも~しぃ。ワタシぃ。』
『ハイハイ。ちょっと今親と運転中なんだ』
『あのさぁ。○○なんだけどさぁ』
『うん?』
『いや○○の事なんだけどさぁ~。おっかしいんだよぉ。』
……交差点信号青・動き待ち
『ごめん。運転中なんだ』
『え~、駄目なの?大丈夫でしょ?』
……交差点信号青・前の車動き出す・隣の母親が急かす
『ごめんまた後で!失礼します!』
プチ…
3分後…もちろん運転中
『もしもし』
『あんた何今の!?何よ失礼しますって!』
『え?僕そう言った?』
『言ったわよ!そりゃ私とあんたの関係は秘密かもしれないけど
そこまで他人行儀にされなきゃいけないわけ!?信じらんない!』
『いや、運転中で話し辛いんだけど…』
『そうやって逃げる!そんな私は他人か?何なんだよ!!』
『だからちょと運転中だって』
『もう知らない!』
……ツーツーツー
その後、レストランから何度も電話するも繋がらず。
そこまで怒る事か?と悩んだ。
まぁ、大丈夫だろう、と思ってた。
これからの彼女の行動は予想出来なかった。
続く…かも
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